労働審判と付加金
愛知県行政書士会の会報に、「未払い残業手当と付加金」というタイトルの記事がありましたので、その内容の一部について以下に書きます。
そこには、労働基準法第114条には付加金の支払いについての定めがあり、その要旨について解説がありました。
労働基準法第114条には「裁判所は未払い金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる」、「裁判所が命ずることによって発生する」と、書かれていました。
ここまでの内容は、ご存じの方も多いと思います。
この命ずることのできる「裁判所」に関する記述があり、労働審判では「付加金の支払いを命ずる運用はしていません」と書いてありました。
この理由として、労働審判は裁判所内で行われているが、「裁判所」ではなく「労働審判委員会」が審判を下しているから、とのことでした。
一方、付加金の支払いには労働者の請求が必要ですが、労働審判で付加金の支払いを請求した場合には、通常訴訟で付加金の支払いを請求したものとされる旨が、書かれていました。
これは、請求の期限である「2年以内」が除斥期間であるため、付加金の支払いを請求せずに2年が経過すると、付加金の支払いを求めることができなくなるから、ということでした。
つまり、労働審判では付加金の請求はできないけれど、通常訴訟を行おうとする間に2年が経過して、請求できなくなることを防ぐために、労働審判で付加金の請求をしておくべきだ、ということでした。
以上が、愛知県行政書士会会報の記事についての読解でした。
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