« 老人の多い日本社会 | トップページ | 私ならば、もう少し安くできると思います »

ほったらかしの持ち主

また台風が近づいているそうです。

先日の台風21号の際に思ったことなのですが、台風の被害を小さくすることを、何も行わない人が多いようです。
(私が子どものころは、木造の住宅ですと、雨戸に釘打ちをしたり、ガラス窓に覆いをしたりと、台風が近づいていることを知ったころになると、近隣からトントン、ドンドンという作業の音が聞こえてきました。)

これについて、「最近の建物は頑丈になったから、備える必要がないんだよ」という意見の方がいらっしゃるかもしれません。

でも、先日の台風21号の過ぎ去った後に、自宅の周辺を見た限りでは、そうであるとは言えないと感じました。

屋根、壁や扉が壊れたという建物があったのですが、そのほとんどは、壊れても不思議ではない物ばかりでした。

壊れても不思議ではない物とは、ほったらかしであった、ということです。

大学で建築を学び、短い期間ですが建築にかかわる仕事をした私の考えではありますが、メンテナンスが10年以上行われていないのではと、思われる建物ばかりと感じました。

単に古いだけでなく、トタンが浮いていたり、部材が朽ちていたりと、風の力が加われば変化が予見できるものばかりでした。
(付近を歩いていて、以前から気がついていた物ばかりでした。)

これらの持ち主は、壊れたら直せばよい、というお考えから、普段はほったらかしにしているのでしょうか?

台風21号が過ぎ去ってから、応急措置を施した持ち主がいる一方で、壊れっぱなしのままの持ち主がいるのです。

壊れっぱなしの建物に、別の台風が接近したらどうなるでしょうか?

風力次第かもしれませんが、さらに損壊が生じる可能性があります。

長々と状況を書きましたが、壊れっぱなしの建物の持ち主について、皆さんはどう思われますか?

私は無責任なことをしているなと、思っております。

なぜかと言えば、持ち主以外の人に迷惑が生じる可能性を、分かっているのかなと、考えるからです。

屋根、壁や扉の一部が飛んで、他人の身体や財産にぶつかることを考えないのかと、私には不思議に思えるのです。

他人の身体や財産にぶつかって損害が発生したら、その後に賠償してくれるでしょうか?
(メンテナンスをせずにほったらかしにしている人を、当てにできるでしょうか?)

ほったらかしの持ち主に損害を伝えても、「台風は自然災害だから、弁償する義務はない」などと、相手にしてくれないのではないでしょうか?

一般論として、自然災害の免責というのは、通常必要である保守管理を行っている場合です。

メンテナンスをせずにほったらかしにしていた、というのは、一定の賠償責任があると考えます。

日本では私有財産が認められていますが、私有財産の自由が強調される一方、他人への影響・配慮が軽んじられている面があると、私は思います。

自動車には車検というものがありますが、あれは持ち主任せでは安全の不安があるからだろうと考えます。
(自動車も私有財産の一つですが、車検により国が一定の関与をしていると考えます。)

だから、建物についても、車検のように一定期間ごとに検査して、修繕を求める制度が必要なのではと考えます。

人気ブログランキングに参加しております。下のリンクをクリックしていただけると幸いです。

人気ブログランキングへ

|

« 老人の多い日本社会 | トップページ | 私ならば、もう少し安くできると思います »

法律」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ほったらかしの持ち主:

« 老人の多い日本社会 | トップページ | 私ならば、もう少し安くできると思います »